紅葉・歴史・グルメ・癒やし・アクティビティ…秋旅で深まる、喜多方の魅力
澄んだ空気と稲穂の香りの漂う秋の喜多方…そんな錦秋に染まる喜多方市内のおすすめ観光スポットを紹介します。
紅葉や名湯エリアを訪れるのはもちろん、古式ゆかしい寺社を巡って歴史に思いを馳せたり、地域で受け継がれてきた食文化に触れたりと、さまざまな楽しみ方ができます。秋の喜多方で、思い出深いトリップを是非体験してみて。
大イチョウが広げる黄金色の世界!紅葉イチ押しの新宮熊野神社
11月中旬ごろには、慶徳町新宮の古社・新宮熊野神社の御神木の大イチョウが見どころを迎えます。
秋晴れの下、黄金色に輝く葉っぱの群れ、まさに黄色のじゅうたんを敷き詰めたような落葉…樹齢850年以上と伝えられる御神木が、目に鮮やかな景色を生み出します。
紅葉シーズン中はライトアップされるため、夜間の観賞もおすすめ。
荘厳な拝殿をバックに、幻想的に浮かび上がる大イチョウ。市内でも指折りの夜景スポットとなっています。
仏都の風情感じる寺社巡りもおすすめ
新宮熊野神社は、平安時代中期に陸奥を征討した源頼義が天喜3年(1055)に勧請したと言われています。国指定重要文化財の拝殿「長床」をはじめ多くの文化財を所蔵しており、四季を問わず多くの人が参詣しています。
長床は、平安時代の貴族の邸宅などに見られる「寝殿造」の流れをくむ建造物。直径1尺5寸の円柱44本が等間隔に5列並び、壁はなく吹き抜けの構造になっています。
長床の奥の石段をのぼった先には、本殿三社が鎮座。本家・和歌山の熊野三山の御祭神が祀られています。本殿に二体ずつ安置されている御神像は、県内最古の神像彫刻で11、12世紀ごろの作と伝えらます。栃を素材に会津の仏像などによく見られる「一木造」となっている点が、特徴です。
また、神社に併設される宝物殿には国指定重要文化財の銅鉢や木造狛犬をはじめ多くの文化財が保存されています。
会津地域は平安時代に仏教文化が栄え、日本屈指の仏都と言われています。喜多方市にはほかにも、仏都の歴史や風情を堪能できるスポットがたくさんあります。
例えば、空海の建立と伝えられ、後に曹洞宗寺院として再興された歴史を持つ示現寺。禅寺の古刹らしい重厚さを醸し出す総ケヤキ材の総門、鷲・龍・蓮などの彫物が施された観音堂を構えます。会津領主からの寄進状や寺領目録など、膨大な古文書を所蔵している点でも有名です。
また、嘉禄3年(安貞元年・1227年)に陸奥に流された浄土宗多念義派の開祖・隆寛の開山とされる願成寺は、国指定重要文化財「木造阿弥陀如来坐像及び両脇侍坐像」を所蔵。三尊そろった阿弥陀如来像で「会津大仏」とも呼ばれており、このうち本尊阿弥陀仏はサイズが2.64メートルあります。
経験豊富な登山者の方には、飯豊山神社もおすすめ。福島・新潟・山形の3県にまたがり、神仏習合の修験の霊場としても知られる飯豊山の頂上と、喜多方側の登り口にあります。
このほか、飯豊山登山口の御沢から遊歩道を進み、ブナの原生林を約2キロ登った奥にある「大滝」など、錦秋を伝える絶景がいろいろと楽しめます。
麓宮は、同神社にまつられたと伝わる五社権現の本地仏「銅造五大虚空蔵菩薩坐像」を所蔵。本地仏とは神の正体とされる仏のことで、「修験者が頂上の奥宮登拝の際に持ち運んだ」と伝えられています。
会津地方では飯豊山への登頂は成人になる儀式とされ、少年たちが集団で登山する「御山駆け」も盛んだったそうです。長年に渡って地元民が受け継いできた信仰心に思いを馳せながら、秋の登山と参詣にチャレンジしてみてはいかが?
グルメを引っ張る新そばのシーズンも到来
収穫の秋。喜多方市内の田畑では頭を垂れた稲穂のほか、そばの花々も見られます。
喜多方市は全国4位の作付面積(2021年時点)を誇るそばの名産地。会津盆地の寒暖差、飯豊連峰の伏流水を源とする豊かな水、霧の発生しやすい気候といった好条件が重なり、「そばの郷」と呼ばれるほど、風味の高いそばが生産されています。
特に遠方のファンも多く有名なのは、「山都そば」。産地の山都町は、住民が栽培から農家そば店運営までを手掛けるといった農業の6次産業化のパイオニア地区がある点でも知られています。
山都そばは令和4年度には、地域で世代を超えて受け継がれた食文化「伝統の100年フード部門」(江戸時代から続く郷土の料理)として、文化庁に認定されました。製粉歩留りを7割以内に定めてつなぎを一切使わず、そば粉だけでこねる製法が特徴。麺は白っぽく透き通った色で、しこしことした歯ごたえや爽やかなのどごしで、人気を集めています。
喜多方でそばはもてなしのご馳走として伝えられており、現在でも冠婚葬祭の場に登場します。山都そばのほかにも、雄国山麓が産地の「雄国そば」「会津駒形そば」、喜多方市の花・ヒメサユリの群生地のある熱塩加納地区を産地とする「ひめさゆりそば」、雷神への信仰が伝えられる高郷地区の「雷神そば」…といった風に、地域ごとに栽培・製法の受け継がれたそばがあります。
秋のそばの産地では、立て続けにそばまつりが開かれ、市民や観光客に新そばの味がPRされます。ぜひ産地に足を運び、郷土で守られ続けた伝統の味をご賞味ください。
喜多方市内で開かれるそばまつり
- 山都新そばまつり
- 岩月新そばまつり
- 塩川新そば祭り
- 会津たかさと雷神新そばまつり 他
喜多方の自然、まち、文化を体感・体験できるイベントが盛りだくさん
行楽シーズンの喜多方市内では、そばまつりのほかにもさまざまなイベントがあちこちで開かれます。
中でも、塩川町・日橋川緑地自由広場の上空に色とりどりの熱気球が舞う会津塩川バルーンフェスティバルは、全国から愛好家や観覧者が集まる大型イベントです。
期間中は全国各地から約30機が参加し、フライト技術を競います。大空に鮮やかなバルーンが浮かび、絵画のような風景を観賞できます。
夜間には音楽と花火に合わせ、バルーンに明かりが灯されます。夜空を彩る花火とランタンのように幻想的に輝くバルーンの競演は、「圧巻」との声も多く寄せられます。
期間中は、高さ約30メートルまでの上空に係留されたバルーンに抽選で体験搭乗できる企画も。緑豊かな田園地帯や秋空を眺めながら、雄大な自然を体感できます。
秋の喜多方市内ではこのほかにも、豊かな自然や文化財を間近に感じられる多彩なイベントが目白押しです。
喜多方市内の秋のイベント
- 御殿場マーケット
- 黒森山秋登山
- ふれあいきたかた農業まつり
- 長床ウォーク
- たかさとリバーサイドウォーク
- 山都そば&観光物産まつり 他
会津の奥座敷の名湯で、旅の疲れを癒やして
見どころたくさんな秋の喜多方市内をあちこち散策した後は、「会津の奥座敷」と呼ばれる熱塩加納地区の会津喜多方熱塩・会津日中温泉をはじめとした、名湯に浸かるのもおすすめ。
会津喜多方熱塩温泉は示現寺の開祖「源翁和尚」が発見したと言われ、開湯約650年の歴史があります。「熱塩」のネーミング通り、お湯は約65.5度と高温で塩分が高いのが特徴で、「子宝の湯」とも呼ばれています。
温泉街には「子育て地蔵尊」があり、お札参りする人も見られます。温泉街や周辺には示現寺のほかに温泉ゆかりの古社「温泉神社」、樹齢千年近くとされる市指定天然記念物の大杉といった名所もあります。
熱塩温泉には旅館・山形屋や、共同浴場で入湯できます。
喜多方の壮大な自然を感じられる名湯で心身をリフレッシュさせたり、極上な気分に浸ったり…秋の夜長を贅沢に過ごしてみては?
イベント情報の詳細は(一社)喜多方観光物産協会HPをご覧ください。
(一社)喜多方観光物産協会HP